第2回サドンデスマッチ in SPロッキー

 
 

9月4日。ロッキー堀江さんから、麻雀大会の参加者募集のメールをいただく。キングと呼ばれる限り、『SPロッキー』の大会には出ようと思っている私(通常形式の大会で負けない限り、そう呼ばれるらしい)。もちろん参加の旨は伝えたが、今回はきっと惨敗だろうなとは予想していた。だって、こういうルールなんだもの。

●30000点持ちで開始。普通に打つがすべての点棒は出ていくだけで、点箱に入ることはない。
●リーチ棒は出した本人が和了した場合のみ戻り、他家に和了された場合はもちろん、流局でも場に供託とはならず持ち点から消える。
●2回戦以降も、再び30000点からではなく、それまでの点数を持ち越して対局する。
●持ち点がなくなった時点で敗退。早く点棒がなくなった順に下位から順位決定。
 
たとえば、東1局に子が満貫をツモ和了したとする。親は26000点、他の子2人は28000点になるのは通常と同じだが、和了した本人の持ち点は30000点のまま。振ったりしたら、その点数がそっくり自分の手からも場からも消えることになる。つまり、自分の減った点数を取り戻すことができない
守備というものがまるっきりできず、あがられたらあがり返すノーガード打ち合いの麻雀をする私には、非常に辛いルール。大会前には必ず考える秘策というものを考えるのだが、今回は「なるべくリーチしない」くらいしか浮かばない。ペアマッチの時は「トップかラスかの大振り打法」などの策がいろいろあったのに。
 
 


 

9月23日、大会当日。予感は的中する。ロッキーさんの開始の合図があって、配牌をとって・・・「リーチ!」の声。親のダブリー。まだ始まって1分もたってない。どないせーっちゅーねん!! そして、振る。親満。これでもやっぱ「負けに不思議の負けなし」なんですよね、ロッキーさん?
その後も振る振る、ツモられる。辛うじて2回戦に持ち点を残せたが、そこまで。あっという間にトビ、最下位決定。ぐえ。
 

トンだ後にも、戦いは続く。裏の優勝をめざした対局が、こんなルールで行われる。

●再度10000点持ちで参加。相手を飛ばした回数−自分がとんだ回数の最も大きい人が裏の優勝。
●持ち点がなくなるたび、10000点持ちで再スタート。
うりゃあ。こうなったら裏の優勝めざそうやないかい! これからは自分がとぼうとも、それ以上に相手をトバせばいいわけだし。
・・・しかし、その日の流れの悪さは変わらない。相手をトバしたのは2回、対して自分がトンだのは5回
「トビました〜」10000点ザララッ、「トビました〜」ザララッ、「またです〜」ザララッ・・・・・・・・・・(涙)。
 
 


 

私がこんなバカをやってる間にも、表の争いは行われていた。やがて、トンでいない参加者が4人だけとなり、決勝卓の対局が開始される。この卓のルールは以下のとおり。

●予選からの持ち点継続で対局。
誰か1人の持ち点がなくなった時点で終了し、最も持ち点の多いものが優勝。
ここまで戦ってきただけあって、4人とも持ち点は10000点を割っている。うち1人はたった1000点。だが、この点数は逆に有利だとも言える。
たとえ平和のみだろうと、トップ目以外はこの人から出和了できないのだ。もしロンしたらこの人がトビ、その瞬間に対局が終わってしまう。リーチもほぼかけられないことになる。つまり自分ひとりだけ、何を切っても当たられない。思いきった勝負ができる。
しかし、いちばん勝ちに近いのはもちろんトップ目。誰かひとりトバせば、その瞬間に優勝が決定。ツモ和了でもいいし、出あがりもどこからでもできる。それだけに自分の点数を減らさないよう、守備には注意しなければいけないが。もしトップ目から転落したら、このメリットをすべて手放すことになる。

苦しいのは2着目・3着目。まず、出和了する相手が限定される。2着目は、トップ目の持ち点以上の大きな手を作ることもできるが、それを当てられる相手もトップ目に限られる。3着目はそれさえもできず、他家の持ち点より低い点数を、その相手に合わせてあがっていくしかない。デバサイどころか、ロンする相手を限定される“デバ限”なのだ。ツモ和了も、ひとり1000点未満の低い手でコツコツ点数を絞り取るか、もしくは倍満や親ッパネなどの高い点数で一気に勝負を決めるかしかない。
その他にも、自分が親の場合には親ッカブリの関係で、点数によってはツモ和了されないなどの事態もあり。これはすごい戦いが展開されるな、とは予想できた。
 
 

・・・果たして、そのとおり。ドラを捨ててわざわざ点数を安くするなど、通常では考えられない打牌が繰り返された。漫画『天』の世界だぁ。
ラス目1000点の人の後ろについて見ていた。ん〜・・・もっと思いきった打ち方してもいいのに。自分は絶対ロンされないんだからさ。
決着はあっけなかった。2着目(3着目だったかな?)が、トップに届かないがラス目をトバしてしまう手であがってしまい、終了。開始時のトップ目が、そのまま優勝となった。やっぱり条件が難しかったか?
裏の優勝は、前回サドンデスマッチの表の優勝者。自分がトンだのは最初の1回だけ、トバしたのはなんと5回。すげぇ!
 
 


 

通常の麻雀とはだいぶかけ離れた状況に見えるが、ふだんでもトップ目狙い撃ちなどをすることはある。トビありの卓だったら、点数の低い他家をトバさないように点数を稼ぐことも必要になる。
それにこれは、一発裏ドラ・カンドラなしの『SPロッキー』ならではの大会。テンパイ後に点数が変わったら、あがっても大丈夫なはずの手があがれなくなっちゃうからね。
点数計算ができないと難しいけど、こういう麻雀も体験することは必要だな、というのが今回の結論かなと。