新人王予想！（たぶん05限定）
今年は新人王レースがとっても楽しみなんです。新人が9人もいるグランパス、8人のエスパルスにサンフレッチェと、ルーキーが全体的に多いってのもありますが、それだけじゃないんです。理由は新人王の規定にあります。
◎対象選手：はい、3項めをよーく読んでください、カッコの中も含めて。
1.出場試合数： 2005J1リーグのリーグ戦の半分（17試合）以上
2.年齢：2005年4月2日現在23歳以下（学年で区切ってるわけですね）
3.J1クラブ登録1年めの選手。但し、登録1年めにおけるJ1リーグ戦出場数が1/3以下(10試合以下)であれば登録2年めも選考対象。 J1クラブ以外での登録年数は除外。（例：J2クラブに所属する選手が、昇格または移籍で初めてJ1クラブ登録になった場合、登録1年めとみなされる。）
4.海外1部リーグ在籍経験者を除く。但し、研修期間は登録期間とはみなさない。
つまり、今年J1に初昇格したアルディージャ、5年ぶりにJ1昇格したフロンターレ、両チームとも23歳以下の選手は、それまでJ2の試合にどれだけ出てようとも新人王の対象になるってことです。また、一昨年J2だったアルビレックスとサンフレッチェに関しても、23歳以下で去年の出場数が10試合以下だったら対象になる選手が出てきます。たとえばJ2最年少出場記録を持つサンフレッチェの高萩洋次郎はこれに当てはまります。去年の開幕時点での新人王対象選手が113名だったのに対し今年は144名と大幅増、1チームあたりの人数でもちょうど8名と去年を上回っています。グランパスなんて15人も！（シーズン中の移籍で今は人数変わってますが）
おまけに今年は、3年後のオリンピック出場をめざすU-20代表チームが世界大会に出てたりするんですが、その中心が今年20歳＝高卒2年めの選手なんです。これまで所属チームではパッとしなかったけれど、U-20代表で活躍して一躍有名に…なんてことも充分あり得ます。
では、勝手に予想してみましょう。予想データは各選手の実績と、5月15日第12節現在までの出場データ。有力選手はこんなところかと。
増田誓志（鹿島） MF 20歳 プロ2年め
U-18〜20代表を経験、昨季はリーグ戦8試合出場。今季は現在6試合出場。ディビッドソン純マーカス（大宮） MF 22歳 プロ4年め（J1登録1年め）
昨季J2リーグ戦後半からレギュラー定着。J1に上がってからも、警告累積で出場停止になった1試合を除いて開幕から全試合出場。U-19米国代表候補にもなったことがある（現在も米国と日本の二重国籍）。金沢慎（大宮） MF 22歳 プロ4年め（J1登録1年め）
アルディージャでプロ登録された1年めから28試合に出場、昨季は41試合出場と完全にレギュラー。J1出場は8試合と若干マーカスの後塵を拝しているが、やはりチームの主力であることに変わりはない。水野晃樹（千葉） MF 20歳 プロ2年め
昨季は後期にレギュラー定着しリーグ戦7試合に出場。今季は現在リーグ戦11試合出場、うちフル出場6試合、村井慎二の抜けた穴をしっかり埋めている。U-20代表にも選出。水本裕貴（千葉） DF 20歳 プロ2年め
水野と同様、昨季リーグ戦終盤にレギュラーに定着し5試合出場。今季は現在リーグ戦9試合出場だがフル出場は8、U-20代表にもなり水野といい勝負。こちらも茶野隆行の穴を埋める。栗沢僚一（FC東京） MF 23歳 プロ1年め
特別指定選手として昨季J1リーグ戦に6試合出場。今季開幕から全試合出場を続けていて、フルタイム出場も10試合。増嶋竜也（FC東京） DF 20歳 プロ2年め
市立船橋から入団した昨季はリーグ戦7試合。U-17から現在のU-20まで、各世代の代表に選ばれている。今季は現在リーグ戦4試合出場。谷口博之（川崎） DF 20歳 プロ2年め（J1登録1年め）
プロ1年めの昨季はリーグ戦11試合に出場。今季は既にリーグ戦9試合、うちフル出場5と、ほぼレギュラーに定着している。カレン・ロバート（磐田） FW 20歳 プロ2年め
U-20代表で筑波大の平山と2トップを組む。既に今季J1リーグ戦出場は10試合、グラウ、ゴン、チェ・ヨンス、前田遼一、川口信男と並み居るジュビロのフォワード陣の中で今季出場時間数は前田に次ぐ長さ、目下チーム得点王でもある。昨季のリーグ戦出場は9で、ギリギリ新人王候補の規定を満たす。本田圭佑（名古屋） MF 19歳 プロ1年め
高校選手権では星稜高校を、石川県代表として初めてベスト4入りさせる。U-20代表でも主力となっていて、J1リーグ戦でも開幕から11試合連続出場。杉本恵太（名古屋） FW 23歳 プロ1年め
ここまでリーグ戦9試合出場、グランパス選手で新人王の資格のある中では本田に次ぐ出場実績。去年のチーム総得点の半分以上を稼ぎ出していたウェズレイ＆マルケスの退団により、今後さらに出場機会が増えることが予想される。前田雅文（G大阪） MF 22歳 プロ1年め
現在リーグ戦6試合出場、第11節グランパス戦でのプロ初ゴールがJ1通算10000ゴールめとなる。優秀新人賞はJ1全チームの選手と監督の投票により選ばれるので、印象に残るこの活躍は票の上乗せにつながるかもしれない。※投票数上位3人が優秀新人賞になり、新人王はその3人の中から、チェアマンなどにより構成された選考委員会の判断で決定される。
・・・と思ってたら、6月8日の練習中にケガして全治8ヵ月。この出場数なら来年も新人王の資格あるからがんばってくれ。前田和哉（C大阪） DF 23歳 プロ1年め
練習生としてセレッソのトレーニングに参加し、2月後半に加入決定。各世代での代表経験もなくあまり期待されていなかったと思われるが、リーグ開幕からフルタイム出場を続けていた大卒ルーキー江添健次郎が第3節アルディージャ戦で負傷し、交代でリーグ初出場。以来、江添のポジションにそのまま収まり既にリーグ戦10試合出場、完全にレギュラー入りする。
ちなみに江添は8チームが獲得に手を伸ばした有力選手で、セレッソの新人でも最も期待されていたはずだが、上記のケガで全治8ヵ月と診断され今季ほぼ絶望。なんて皮肉な。前田俊介（広島） FW 19歳 プロ1年め
サンフレッチェユース所属の昨季、既にリーグ戦11試合出場＆1得点。去年のサンフレッチェユースの、クラブユース選手権＆高円宮杯全日本ユース選手権の2冠達成に貢献した。今季も既にリーグ戦9試合出場でU-20代表にも選出、クラブユースでは屈指の強さを誇るサンフレッチェユースから今季昇格した中では、レギュラー獲得の一番手となっている。深谷友基（大分） DF 23歳 プロ1年め
大学4年間では総理大臣杯全日本大学トーナメントと全日本大学選手権にそれぞれ毎年出場。開幕戦を除くリーグ戦全試合11試合フルタイム連続出場中（開幕戦もベンチ入り）、出場時間合計ではリーグ全チームの新人王有資格者の中で現在トップ。柴小屋雄一（大分） DF 22歳 プロ4年め（J1登録2年め）
02年J2トリニータ→03年J1に昇格したトリニータでリーグ戦出場なし→04年J2ホーリーホック→今年またJ1トリニータ。ホーリーホックでリーグ戦39試合出場し実戦経験を積んで戻ってきた。今季は現在9試合、すべてフルタイム出場。深谷とともに、サンドロと三上和良の抜けた穴を埋めてあまりある活躍をしている。
では、優秀新人賞は、そして新人王は誰か？
これまでの新人王を見ると、1年めだとか2年めだとか、高卒だとか大卒だとか大学中退だとか在学中だとか（03新人王マリノスの那須大亮は大学3年在学中からトップチームに登録されてました）関係ないようですが、チームの成績は少し関係あるようです。
去年の新人王だった森本貴幸はリーグ戦出場数22。だが出場数なら26試合の千葉貴仁、24試合の下村東美が上回っていました。ところが千葉も下村も、優秀新人賞にさえ選ばれませんでした。森本が所属していたヴェルディの年間順位は9位、それに対して千葉と下村のセレッソは年間順位は下から2番め、最終戦まで降格争いに加わっていました。
リーグ優勝チームから新人王が選ばれたのはたった2回（95マリノス川口能活と03マリノス那須大亮）。優勝争いに加わる必要はないが、チームが下位にあったら新人王候補を出すのは難しくなります。しかも去年と打ってかわって、今年活躍している新人は現在上位のチームに多くいます。このままでいくと、FC東京の栗沢と増嶋、トリニータの深谷と柴小屋、フロンターレの谷口などはちょっと厳しくなりそうです。
また、規定どおりならJ2での経験年数は関係ないはずですが、過去の新人王受賞者は全員プロ経験2年めまで。マーカスと金沢、それに柴小屋は投票者の意識の上で除外されてしまう可能性が大きそうです。マーカスなんて今後がとっても面白そうな選手なんですけどねぇ。
というわけで・・・
◎優秀新人賞予想
水野晃樹（千葉） MF 20歳 プロ2年め
本田圭佑（名古屋） MF 19歳 プロ1年め
ジェフの水本、グランパスの杉本、サンフレッチェの前田が次点。おそらく得票3番めが激戦になり、印象度の高くなりやすい攻撃的選手が選ばれるかと。
☆新人王予想
カレン・ロバート（磐田） FW 20歳 プロ2年め
何しろ、あのジュビロのフォワード陣の中で結果を出してるわけだから。
とはいえ、まだ誰も新人王資格のリーグ戦17試合出場に達していない段階。中心選手のケガで出番が回ってきたり、逆に自分がケガしたり、レッズではまだ16歳のエスクデロが既にナビスコカップに出場しているように、まだまだいろいろありそうです。