で、どうなの?

 
 

結論1/チームを持つのは、意外にカンタン!

Jリーグ全28チーム中JSL1部の経験があるのが17(横浜FCも含む)、2部も含めると20チームがJSLからの歴史を持つ。だがそのうち、JSL時代の親会社がそのまま現在でもメイン出資会社であるのは14チーム。Jリーグ加盟後にメイン出資者が代わったヴェルディベルマーレを除くと、Jリーグ全体の半分近い12チームが、加盟時に新しい出資者を獲得したことになる。
チームの歴史的背景は、J1とJ2では大きく異なる。J1に昇格したことがない8チームのうち横浜FCを除くと、JSL1部の経験があるチームは皆無。親会社と呼べる企業をもつチームも、アルディージャしかない。
ということは・・・その気になればすぐJ2に上がれるってことだ! まず出資者を募る。地元の有力企業はもちろん、地域密着をうたう地銀信用金庫、さらに地方のテレビ局新聞社は出資してくれる率が高い。また、県や市などの出資も見込める(Jリーグの半分以上のチームがホームタウンの市や県からの出資を受けている)。
選手は意外に揃えやすいようだ。他のJリーグチームからの移籍の他、プロ以外の有力チーム(JFLや地域リーグなど)、Jリーグのユースチーム、大学サッカー部、高校など、供給源は幅広い。
さらに、今なら2002年のワールドカップ用の施設を使えば、ホームグラウンドも確保できる! 試合会場はほとんど現Jリーグチームが使うが、各代表チームのキャンプ地がある。
※ワールドカップ試合会場のうち、Jリーグチームのホームスタジアムでないのは静岡スタジアムエコパ。まさかジュビロが使う? 「ジュビロ袋井」になるのか?(エコパの所在地は磐田市の隣の静岡県袋井市)

<キャンプ候補地のうちJリーグ本拠地・日本代表用グラウンドがない県>
  岩手県 花巻市 
  秋田県 秋田市 
  栃木県 今市市 湯津上村 
  群馬県 前橋市 草津町 
  長野県 松本市パラグアイ代表プレキャンプ地に決定! 
  富山県 富山市クロアチア代表キャンプ地に決定! 
  石川県 小松市 加賀市 
  福井県 三国町メキシコ代表キャンプ地に決定! 丸岡町 
  三重県 上野市南アフリカ代表プレキャンプ地に決定! 鈴鹿市ロシア&コスタリカ代表プレキャンプ地に決定!
  岐阜県 古川町 
  奈良県 橿原市チュニジア代表キャンプ地に決定! 
  和歌山県 和歌山市デンマーク代表プレキャンプ地に決定! 
  鳥取県 鳥取市エクアドル代表キャンプ地に決定! 
  島根県 出雲市アイルランド代表プレキャンプ地に決定! 
  岡山県 美作町スロベニア代表プレキャンプ地に決定! 
  山口県 下関市 
  香川県 三木町 
  徳島県 鳴門市 
  愛媛県 松山市 新居浜市 
  熊本県 大津町ベルギー代表キャンプ地に決定! 熊本市
  宮崎県 宮崎市ドイツ&スウェーデン代表キャンプ地に決定! 西都市 綾町 
  鹿児島県 指宿市フランス代表プレキャンプ地に決定! 鹿児島市 国分市 
  沖縄県 石垣市
ホーリーホックの例を見てほしい。91年にチーム結成して、たった9年でJリーグだ! あと数年でJ2とJFLの入れ替えも始まるはず。JFLや地域リーグ、都道府県リーグのチーム、急げ! 元アントラーズのレギュラーの奥野僚右が監督兼選手で、代表キーパーの経験もある小島伸幸がコーチ兼選手、その他にもJリーグ選手経験者を揃えて4年でJリーグ入りを宣言しているザスパ草津なんて、とっても楽しみ(現在は群馬県リーグ)。
 
 

結論2/とにかく経営が苦しいチームばっかり。

運営が安定していると推測できるのは、松下電器の資本が後押ししていて、ホームページ上にバナーもほとんどなくスポンサー情報も公開していない(=スポンサーを積極的に必要としていない)、しかもそこそこの成績を上げているガンバくらいだろう。
特に99年以降Jリーグに加わったチームは悲惨だ。大資本のバックアップがあるのはフロンターレアルディージャくらい。ヴァンフォーレホーリーホックは成績の低迷と観客数の少なさからチーム存続の危機を伝えられているし、モンテディオは会社組織にさえできていないし。
ほとんどのチームは数億円の資本金を用意しているが、中には株式会社の要件の最低限である資本金1千万そこそこ会社さえある。
コンサドーレだけが収支決算をホームページに載せているが、大きなマイナスの数字が記されていた。このコンサドーレベガルタなど、単年度決算では黒字のチームもあるが、それでも何億もの有利子負債は背負っている。
こんな状況だから、Jリーグに入らなかったチームがあるのも無理ないかも。

<JSLからJリーグに参加しなかった主なチーム>
NKK
日本鋼管サッカー部として67年からJSLに参加、JSLカップで優勝2回、天皇杯でも1回優勝している。JSLでは1部と2部を行き来していたが、93年にJFL2部で3位の成績を最後に廃部
本田技研工業
71年創部以来、75年にJSL2部、81年には1部昇格と、安定した力を持つチーム。北澤豪(現ヴェルディ)、本田泰人(現アントラーズ)、呂比須ワグナー(現アビスパ)など、日本代表も多く輩出している。
本拠地の浜松で「浜松にJリーグを」の声が高まったときも、もちろん目当てはこのチームのJリーグ昇格。しかし親会社は一度もプロ化の方針を見せず、JFLで必ず優勝争いに絡むチームなのに現在では「アマチュアチーム日本一へ」と目標を定めている。ふーん。
大塚製薬
55年創部、91年にようやくJSL2部昇格と、以前はそれほど強くなかったが、93年にはJFL1部で4位になるなど急激に力をつける。J1はおろかJ2のチームもない四国では、たぶん最強のチーム。
95年には“ヴォルティス徳島”とチーム名から企業名を外しJリーグ参入への意思を見せるが、99年に再び大塚製薬に名前を戻しプロ化から遠ざかる。


結論3/経営管理、ちゃんとやってる?

きちんと出資企業とスポンサーを区別していないチームがほとんど。出資者っていうのは、直接カネを出す代わりに、チーム収入があがったら直接的に自分の利益にしてもいい立場。それに対して、広告料として間接的にカネを出して、その広告で商品の売上があがって間接的に利益を得るのがスポンサーでしょうが。
広告効果がないとは言わせないよ。コンサドーレの『白い恋人』とかベガルタの『カニトップ』とか、だいぶ全国知名度が上昇したはず。サンフレッチェがリーグ前期優勝したときなんて、「ユニフォームについてるJUKENって何?」って、週刊現代だかで大見出し記事にまでなったんだし。
この区別がいちばんちゃんとできてるのがアントラーズ。親会社の住友金属は完全に後ろに引っ込んでて、ユニフォームに入るのは『TOSTEM』とか『YELLOW HAT』とかスポンサーの名前。
実際問題、出資企業がスポンサーにもなってるってケースも多いんだけどね。ってことはスポンサーが集まらないってことなわけね。
 
 

結論4/チームの強さと資金力は比例しない。

レッズを見ればわかるでしょ?(泣) 野球みたいに契約金とかFA制度とかないんで、カネさえあればいい選手が集まるわけでもないのね。チームが日本全国に散らばってるから、自分の出身地に近いチームを選ぶ選手も多いし。
それに、いい選手数人だけで勝てるものでもない。また野球と比べるけど、いいピッチャーが一人いれば年10勝近くは確保できる。ホームランバッターが一人いれば、完封負けは少なくできる。でもサッカーだと、いいフォワード一人で点を取れるわけじゃなく、そこへラストパスを送れる司令塔、さらにそこまでボールをつなげるミッドフィルダー、さらにはそれらの選手を後ろから操るボランチ(←ポルトガル語で自動車とかの“ハンドル”って意味なんだよ)が必要になる。このボールの連係が個人技以上に大事なことも多く、それゆえ野球の戦術にはほとんど登場しない「組織力」なんて言葉がサッカーでは頻発する。
特にエスパルス経営危機になるほど資金力が弱いのに、毎年のように優勝争いに絡んでくるのはえらい。それに引き換え・・・、何してるのヴェルディ
 
 

・・・こんなこと言っといて、何のアイデアも出せないんじゃ無責任だから、
ちょっとした解決策を。
 
 

施策1/もっと市民からカネをとれないか?

出資者、スポンサーに続く第3の収入源、サポーター。今のところサポーターがチームにカネを出す方法は、試合の入場料と、サポーターズクラブ(チームのファンクラブのことね)の会費、それにレプリカユニフォームなどグッズの購入費くらい。
ライセンス事業をもっと積極展開できないだろうか? 今さらチームキャラクターのグッズなんて売れないだろうが、○○選手モデルのスパイクとかスポーツドリンクとかサプリメントとか作ったりしたり。
試合会場以外だとなかなかサッカーに接する機会もないんで、その雰囲気を味わえるような店を全国展開するのも面白いかも。スポーツカフェをもっと限定した、たとえば「ジュビロカフェ」みたいの作るの。選手一人ひとりおすすめメニューを作れば、それだけで約30のメニューだ! 席にもそれぞれ「ゴンシート」「藤田シート」みたいに名前つけて、椅子の背には顔写真がついてるの。もちろんサインもね。大画面テレビ置いて、試合の日はもちろんそこで試合中継流してみんなで応援ね♪
・・・ともかく。もうちょっとチーム運営を「事業」として考えるべきでは?
 
 

施策2/株式、公開できない?

横浜FCの『ソシオ制度』はどのチームでも採用できるってものじゃないと思うけど、チーム運営を「事業」だって意識させるには、とってもいい制度なんでは?
せっかく株式会社にしてるんだったら、その株を店頭公開とかできないかな。株を買ってもらえば、運営会社に資金が入る。チームの人気が出たりして株が上がれば、さらにカネが入ってくる。運営会社のほうも、株が値下がりしないように経営努力をする。おお、いいことづくめだ。
買い占められたりしてチームを乗っ取られる危険はあるけど、そこはそれ。ワンマン経営なんかしたら、野球ファンの比じゃないサポーターが黙ってないでしょ。そんな乗っ取りよりひどい“チーム消滅”なんて事態を、サッカーファンは経験してるわけだからさ。
 
 

施策3/もっとテレビで流してよぉ。

試合中継少なすぎない? 土日の午後なんて、けっこうどうでもいいような番組やってるじゃん。そんなバラエティ番組の再放送とかやってるんだったら、試合見せてくれてもいいんじゃないの? 特に日テレちゃんってば。ヴェルディの筆頭株主なんだからさ。夜中2時くらいから録画で流してどうしよってんだよぉ。
試合中継が増えれば、ユニフォームのスポンサー名が映る機会が増える。テレビCMだって流れる。広告効果が上がる。スポンサーになりたがる企業が増える。良循環♪
個々の選手も、もっと広告に使ってくれないかな。日本代表クラスの選手なら、知名度だって劣るとも思えないし。スポンサー以外の企業が起用してくれたっていいでしょ。ゴンだってチームスポンサーじゃないのにニッスイのCM出てるし。出演CMが増えれば、運営会社は儲からなくても選手の収入は増えるし。
チームまるごとCMに出演させるとかってのもできないかな、オロナミンCの巨人みたいに。野球選手より演技力あると思うんだけどな。
 
 

施策4/新しい広告媒体を作る!

スタジアムのフェンスとかに常時入ってるスポンサー名、試合の時だけフィールド横に置かれる三角形のボード・・・。でもこういう広告って、テレビ中継だとあんまり目立たない。観客席の後ろにある看板なんて、ほとんど会場にいる観客にしか見られない。選手のユニフォームくらい、テレビ中継でも目立つ媒体はないか?
サッカーの試合中継でいちばん画面に映ってる時間が長いのは・・・地べただ!グラウンドだ!あの緑の芝だ! あれを何とか、広告媒体に使えないかなぁ・・・。芝をスポンサーのロゴの形に刈り込むってのは選手に危険だろうけど、まずグラウンドにロゴを描いて、後からそこに芝を植えればできたりしないかなぁ。
あとはゴールか・・・。網目をもう少し細かくするなりして、ネットにロゴマークとか描けるようにできないかなぁ。ポストとかサイドバーにも何か描いておくの。面積は小さいけど、ボールが弾かれたときなんて目立つよぉ。アップで映されるだろうし、そのシーンは何度もリプレイされるし、スポーツニュースにまで登場する可能性も高いし。
試合後のインタビューも、今ってそのままグラウンド脇でやってること多いでしょ。F1の表彰台みたいにインタビューする場所を作っといて、そこにスポンサー名並べとけば? 選手が話す間ずーっと映ってるから、けっこういい広告料取れるよ。
テレビ中継で流すCMも、ちょっと考えたい。野球と違ってイニングごとにCMを流せる切れ間がないってのは、Jリーグ発足当初から言われてたけど。でもさ、その頃って、画面の下のほうに帯入れてそこに広告入れるってことしてたテレビ局もあったよね。何でなくなったんだろ? 画面下になるサイドが見えなくなるとかって不評だったのかな? もしそうじゃなかったら復活してもいいんじゃない?
あ、最近気になってるのが、画面に点数と時間経過が常時出ていない場合が多いこと。これ、ずっと出しといて、時計のすぐ横にスポンサーロゴも並べとくわけにはいかないの? そんなにジャマだとは思わないけどなぁ。
広告料とは関係ないけど、スポンサーももっと考えれば? アビスパのユニフォームに入ってる『GEORGIA』やサンガの『KYOCERA』と、コンサドーレの『白い恋人』にベガルタの『カニトップ』、どっちが目立ってるよ?
しかたねぇ。札幌と仙台以外のとこ、現役コピーライターの俺が考えてやるわ。文字数がいちばん長くできるユニフォーム胸部分を想定ね。

  鹿島 ボーナスは常陽
  市原 ちばぎん
  浦和 のんぽリズム(講談社『イブニング』連載中の作品名)
  東京V 売!買!(楽天)
  横浜M コロコロコミック
  清水 JALの早割
  名古屋 ヒサゴ(業種がわからないけどスポンサー名がインパクトあるんで)
  G大阪 明るいナショナル
  広島 住建の家
  湘南 中田英寿(選手全員が「中田英寿」って胸につけてるのを想像してみよお♪)
  磐田 コックローチ
   白くまくん(日立のエアコン)
  C大阪 タマノイ酢
  京都 ナチュラルアップBra(胸に入れるにはピッタリっしょ?)
  福岡 生茶(キリン)
  神戸 ご飯にまぜるだけ(伊藤ハムの商品名)
  FC東京 電気を大切に(東京電力)
  川崎 先進呼吸(富士通ゼネラルのエアコン)
  山形 でん六
  大宮 ケンタくん(NTTの割引サービス)
  甲府 Eat Wheat !(企業名の「はくばく」そのままでもいいんだけど、ロゴがキレイすぎるし、Eatなんて言葉が入ってると「お?」と思えるんでは)
  新潟 ぽたぽた焼
  鳥栖 AO-JIRU(「青汁」じゃあんまりっつーなら・・・)
  大分 家元気?(企業名のペイントハウスより、このほうが業務内容がわかりやすいでしょ?)
  水戸 安い!ケーズデンキ
  横浜FC 買物はセキド

なに?恥ずかしい?選手がかわいそう? プロだったらやりなさいって。あなたたちのプライドは、胸に入った文字くらいでつぶされるようなものなんかい? プロとしての誇りがあるなら、胸張ってプレーしなさいって。
ジーコを見てみぃ。「サッカーのためだ」って割り切って、ほのぼのレイクのCMで「カンペキダ!」なんてほざくピエロ役を引き受けてるでしょうが。トニーニョ(懐かし!)も見なさいって。エスパルスにいたときは日本航空がスポンサーだったから、ゴールを決めると両腕を広げて飛行機の格好して。その後レッズに移籍したら、今度は車のハンドルを回すポーズしたんだよなぁ。
野球だって、千葉ロッテが『ロッテリア平日半額』なんてヘルメットに入れてるんだよ。より経営が厳しいサッカーがそういうことやらなくてどうするのよ。
 
 

それにしても、

Jリーグ全28チーム中、チームカラーがブルー(サックスブルー含む)なのが10チーム、赤が4チームって、もうちょっと変化つけてくんないかなぁ
リーグ発足当初はエスパルス1チームだけだったオレンジも、アルディージャアルビレックスが使ってるし。駿河湾の海の青か茶畑の緑色を使いたいってリーグ側に申請したのに、青は希望チームが多くて抽選で外れて、緑は「読売クラブ(=ヴェルディ)の色として定着してるから」って断られて、「じゃあミカンの色にしよう」ってことで決めた苦肉の策なんだぞ。オレンジ色のユニフォーム着てるチームなんて、世界でも珍しかったんだぞ。
そういえば、緑って未だにヴェルディ以外使ってないねぇ。読売資本には逆らえませんってこと? JSLでの実績のないエスパルスの色なら、後からJリーグに入ったチームがダブっても知ったこっちゃないぜってこと?