どこから来た?J2&J1
移籍のきっかけにはいくつかあります。
A.選手個人の都合
その1/まだ若いうちに、J2など下位のチームにレンタル移籍して出場経験を積む。
その2/現在いるチームでは同ポジションに有力選手がいて試合に出られないので、自分のポジションが手薄な他のチームへ移る。
その3/J1昇格を狙うJ2チームなどから、戦力強化のために招き入れられる。
その4/J2やJ1下位チームで活躍して、上位のチームからヘッドハンティングされる。
その5/その他、チームカラーや戦術などが自分に向いている、監督や選手・コーチが好き、など。
B.チーム全体の都合
その1/監督などの考えるチーム構想から外れたため、他のチームに活路を求める。
その2/J2降格または出資企業やスポンサーの撤退により、財政が逼迫し年俸が払えずリストラされる。まぁ実際には、そんな単純なもんじゃなくいくつかの理由が合わさって移籍を決断するはずですが。でも、再び同じチームに帰れることの多いレンタル=期限つき移籍以外は、「今いるチームがイヤだから」の気持ちが多かれ少なかれあるのも事実です。一時期のアントラーズなど、試合に出られないのに居心地がよくて移籍しない、という選手ばかりでしたし。
ここでは、現在のJリーグ選手が以前どのチームにいたかを集計してみました。やっぱり「ああ、このチームか・・・」というところが目につきます。
※海外チームは、カウントしてもあまり意味ないので除外。1人で2回以上同じチームに行ってる場合(多くは期限つき移籍)は、1回しかカウントせず。
現J2所属選手の移籍元ベルマーレ(平塚と湘南の合計)/21人 川崎(富士通の1人を含む)/17人
清水/16人 横浜M(日産自動車の1人を含む)/16人
札幌/15人 京都/15人 C大阪(ヤンマーの1人を含む)/15人
ヴェルディ(川崎と東京の合計)/13人 大分(大分FCの2人を含む)/13人
名古屋/12人 市原/12人 FC東京(東京ガスの2人を含む)/12人
磐田/11人 福岡/11人 G大阪/10人 浦和/9人 神戸/9人
鹿島/8人 広島/8人 山形/8人
新潟/8人 横浜フリューゲルス/8人 水戸/7人
鳥栖/5人 本田技研/5人 デンソー/5人 NKK/5人 大宮/4人
柏/3人 甲府/3人 横浜FC/3人 仙台(ブランメルの1人を含む)/3人
大塚FC/1人 ジャトコ/1人 コスモ四日市/1人
福島FC/1人 西濃運輸/1人
佐川急便/1人 東邦チタニウム/1人 ルミノッソ狭山/1人
名古屋クラブ/1人 高田FC/1人 佐川急便大阪/1人
海上自衛隊厚木基地マーカス/1人 コワダスポーツクラブ/1人
群馬FCフォルトナ/1人 クルゼイロジャパンFC/1人J1の経験豊富な選手が多かったけど今ではJ2中位のチームに成り下がったベルマーレが、選手の最大供給元。移籍先で上位に来てるチームは、大きく2タイプに分かれる。
A.即戦力になる選手が多いJ1上位チーム・・・エスパルス、マリノスなど
B.値段が安くてほどほどに力になる選手がいるJ1下位〜J2上位チーム・・・フロンターレ、コンサドーレ、サンガ、トリニータなど
ベルマーレとヴェルディは、Aタイプの戦力がBタイプの値段で手に入るようになった、リーズナブルなチームと言えるだろう(笑)。
どこも財政事情の厳しいJ2、選手獲得先はJリーグ内だけとは限らない。JFLと、さらにその下に位置する社会人の地域リーグや都道府県リーグにも触手を伸ばしている。特に貢献しているのはJFLの3チーム。チーム解散で所属選手が移籍するしかなかったNKK、社会人チーム最強の本田技研は当然だが、それに次ぐ強さの大塚をさしおいてデンソーが5人も送り出している。
現J1所属選手の移籍元
ヴェルディ(川崎と東京の合計に読売クラブ1人を含む)/30人
横浜M(日産ファーム2人を含む)/26人
横浜フリューゲルス(全日空1人を含む)/20人
京都/19人 福岡/16人 名古屋/16人 鹿島/15人 広島/15人
磐田(ヤマハ1人を含む)/14人 浦和/13人
神戸/12人 ベルマーレ(平塚+湘南)/12人
市原/11人 札幌/11人 G大阪/11人 柏/10人 清水/9人
川崎/8人 甲府/8人 C大阪/7人 鳥栖(PJM2人を含む)/7人
大分/6人 FC東京(東京ガス1人を含む)/5人 本田技研/5人
山形/4人 大宮/4人 横浜FC/3人 大塚FC/3人
仙台/2人 水戸/2人 新潟/2人 デンソー/2人
NKK/1人 静岡産業大/1人 横河電機/1人
東邦チタニウム/1人 愛媛FC/1人 ブレイズ熊本/1人JSL時代からの名門チームのヴェルディとマリノスが肩を並べるが、そこに“転落”という要素まで加わったヴェルディがトップ。移籍選手の通過駅、サンガがそれに次ぐ。
他に目立つのは、J1昇格経験がないJ2チームの中では人数が最多のヴァンフォーレ。財政が苦しい中、有力選手の移籍金により資金を得ているのだろうか。チームの成績と引き換えに。
個人的には、元フリューゲルスの選手がまだ19人もJ1にいるのがうれしい。
J1+J2(2人以上)
ヴェルディ(川崎+東京+読売クラブ)/43人(30:13)
横浜M(日産と日産ファームを含む)/42人(26:16)
京都/34人(19:17) ベルマーレ(平塚+湘南)/33人(12:21)
名古屋/28人(16:12) 横浜フリューゲルス(全日空を含む)/28人(20:8)
福岡/27人(16:11) 札幌/26人(11:15)
清水/25人(9:16) 磐田(ヤマハを含む)/25人(14:11)
川崎(富士通を含む)/25人(8:17)
鹿島/23人(15:8) 市原/23人(11:12) 広島/23人(15:8)
C大阪(ヤンマーを含む)/22人(7:15) 浦和/22人(13:9)
G大阪/21人(11:10) 神戸/21人(12:9)
大分(大分FCを含む)/19人(6:13) FC東京(東京ガスを含む)/17人(5:12)
柏/13人(10:3) 山形/12人(4:8) 鳥栖(PJMを含む)/12人(7:5)
甲府/11人(8:3) 新潟/10人(2:8) 本田技研/10人(5:5)
水戸/9人(2:7) 大宮/8人(4:4)
デンソー/7人(2:5) 横浜FC/6人(3:3) NKK/6人(1:5)
仙台(ブランメル+ベガルタ)/5人(2:3) 大塚FC/4人(3:1)
東邦チタニウム/2人(1:1)ヴェルディにマリノス、サンガにベルマーレが主な選手供給源。意外なのがエスパルス。J2移籍の割合が他のJ1チームに比べてとても高い。ベンチ入りを外れるとチーム財政の関係からすぐ移籍させるみたいだが、それでもJ2ではチームの主力になれるくらいの能力があるから、ということらしい。
JFLでは本田技研、デンソー、大塚が健闘。関東リーグの東邦チタニウムは大健闘。
それにしてもベガルタ、受け入れる選手と放出する選手のアンバランスさがすごいな・・・。