思い出せとは言わないけれど

忘れないで今年のことを


 

シーズン終了どころかまだJ1優勝も決まってない中、無謀にも11年のJリーグアウォーズを予想してみます。だって最終節の翌日(たぶん)には優秀選手賞を、 翌々日には全賞を発表って、昔より日数が開いてないんですもん。
テレ東系『FOOT×BRAIN』では最終節当日深夜に生放送で、番組独自のベスト イレブンを選出するそうなんで、それより早くと思ったわけですよ。

功労選手賞 三浦淳宏(元横浜フリューゲルス横浜M東京V神戸横浜FC松田直樹(元横浜M・松本山雅〈JFL〉)

この賞は決定済み。物故者が受賞するのは初めて。実はアツは、現役引退を機に「淳寛」に改名してます。
 

優勝監督賞 ストイコビッチ(名古屋)
最優秀監督賞 ネルシーニョ(柏)
監督特別賞 西野朗(G大阪)

優勝の行方によって変わります。グランパス優勝なら上記のとおり。レイソルだったらネルシーニョが最優秀監督賞で、優勝監督賞は表彰なし。ガンバなら最優秀監督賞がネルシーニョ、西野が優勝監督賞でそのうえ10年間務めたガンバ監督退任に対して特別授賞があるんではないかと。
 

最優秀育成クラブ賞 柏レイソル
その他候補 浦和レッドダイヤモンズ

レイソルでは酒井茨田工藤、レッズでは原口峻希直輝、 ともに3人ずつベストヤングプレイヤー賞の受賞資格を獲得し、全員が両クラブのユース出身。しかしレイソルは他に順也橋本が、以前の新人王の条件を満たす。それにまぁチーム成績がねぇ。


フェアプレイ賞 モンテディオ山形FC東京
高円宮杯 ガンバ大阪

基準は反則ポイントがJ1で34以下、J2で38以下で、その中で最少だったとこが高円宮杯を獲得。最終戦でイエローもレッドもなかったと仮定するとガンバの反則ポイントは21、モンテディオは26、アントラーズは32、J2ではFC東京が34、ベルマーレが35。アントラーズとベルマーレは最終戦でイエロー1枚でももらえば受賞基準を超えてしまうので、ちょっと厳しいでしょう。 
 

フェアプレイ個人賞 太田宏介(清水)藤ヶ谷陽介(G大阪)
その他候補 玉田圭司(名古屋)佐藤寿人(広島)リャン・ヨンギ(仙台)

サイドバックで全試合に出場していてカードなしの太田はまず確定。今年はキーパーでカードなしの選手が少ないので、藤ヶ谷もほぼ確定。あとは32試合出場の攻撃的ポジションの3人がどうなるかですが、出場時間数もそう違わないので選出されるなら揃ってだろなと。選ばれたら、寿人は07年に次ぎ2度め、リャンは外国籍で初受賞。

【今季イエロー&レッドカードなしの選手】※11月27日時点
●キーパー 藤ヶ谷陽介(G大阪)33試合/2970分 楢崎正剛(名古屋)23/2046 荻晃太(甲府)22/1839
●キーパー以外 太田宏介(清水)33試合/2880分 玉田圭司(名古屋)32/2729 佐藤寿人(広島)32/2689 リャン・ヨンギ(仙台)32/2668 小林悠(川崎)31/1431 伊東輝悦(甲府)28/2006 酒井高徳(新潟)24/1991 チョ・ヨンチョル(新潟)24/1658 小林亮(山形)24/1655 阿部吉朗(甲府)23/1321 小松塁(C大阪)23/978 石川直樹(新潟)22/1809 市川大祐(甲府)22/1789 田中達也(浦和)22/1337 佐々木勇人(G大阪)21/748 高橋泰(福岡)21/400 平井将生(G大阪)20/879 船山祐二(山形)19/1302 冨田大介(甲府)17/1515 永井雄一郎(清水)17/320 山口蛍(C大阪)16/480
 

ベストヤングプレイヤー賞 酒井宏樹(柏)
その他候補 原口元気(浦和)大迫勇也(鹿島)東慶悟(大宮)酒井高徳(新潟)丸橋祐介(C大阪)

やっぱり宏樹でしょね。A代表デビューを果たした原口、同じオリンピック予選代表の大迫に 東に高徳、対象者の中でリーグ出場数最多の丸橋と比べても、チーム成績が大きく違いますから。
ところで、できたら候補も発表してくれないかな、以前の新人王に対する優秀新人賞みたいに。若手の売り出し機会がもっと多くてもいいのになと思います。

【今季のベストプレイヤー賞受賞資格者】※11月27日時点、アシスト数はTBS『スーパーサッカー』の記録より引用
酒井宏樹(柏)26試合/2274分/0得点/7アシスト 茨田陽生(柏)26/1572/0/5 工藤壮人(柏)24/1333/7/2 磯村亮太(名古屋)20/559/3/0 小野裕二(横浜M)28/1763/4/3 大迫勇也(鹿島)24/1650/4/3 高木俊幸(清水)28/1810/2/3 登里享平(川崎)19/1005/2/1 丸橋祐介(C大阪)31/2638/1/5 山口蛍(C大阪)16/480/1/0*五輪予選によるリーグ戦欠場あり 酒井高徳(新潟)24/1991/1/2 東慶悟(大宮)26/1957/6/3 原口元気(浦和)29/2485/9/2 高橋峻希(浦和)27/2350/0/2 山田直輝(浦和)17/949/1/1 重松健太郎(福岡)24/874/2/1
 

得点王 ケネディ(名古屋)
その他候補 ハーフナー・マイク(甲府)李忠成(広島)レアンドロドミンゲス(柏)

最終戦前では最多得点のケネディに対してハーフナーは2点差、李とレアンドロは4点差。J1残留のために得失点差14の差を埋めなければいけないヴァンフォーレのエースとして、ハーフナーがどれだけ発奮するか? 降格チームからリーグ得点王が出ることになるのか? 最終戦が最下位モンテディオ相手の李もひょっとして?

ベストイレブン

GK 林卓人(仙台)
その他候補 菅野孝憲(柏)

リーグ戦17試合以上に出ているキーパーでは防御率1未満なのは林だけ。リーグ最少失点を達成したベガルタの守備を代表する形で受賞しないかな。楢崎とか有力キーパーが今年は出場が少なかったり失点が多かったりしたし。

DF 酒井宏樹(柏)田中マルクス闘莉王(名古屋)駒野友一(磐田)
その他候補 鎌田次郎(仙台)近藤直也(柏)田中隼磨(名古屋)

攻撃的なディフェンダーばっかりになっちゃいましたが、今年は守備で目立ったのはむしろボランチだったなと思ったので。

MF レアンドロドミンゲス(柏)ジョルジワグネル(柏)遠藤保仁(G大阪)リャン・ヨンギ(仙台)藤本淳吾(名古屋)
その他候補 小笠原満男(鹿島)角田誠(仙台)小椋祥平(横浜M)中村直志(名古屋)小川佳純(名古屋)

レアンドロと遠藤は堅いでしょう。ジョルジもプレイスキックの威力とか見ると選ばれるだろうし、現時点でアシスト王(TBS『スーパーサッ カー』のデータ)のリャンも今年こそ選ばれなかったらおかしいし。あと1枠は知名度やチームの成績を考えると藤本かと思いますが、小笠原や角田なんかが 入ったらJリーグも粋なことするなって感じるでしょね。たぶん憲剛の連続受賞は途絶えるでしょうけど。

FW ケネディ(名古屋)ハーフナー・マイク(甲府)
その他候補 李忠成(広島)北嶋秀朗(柏)

ここ数年は得点王と日本人最多得点者が選出されてるんで、李が最終戦でハットトリックとか決めなければ、今年もケネディとハーフナーの2人で鉄板でしょう。 残念ながらジュビロの前田は最終戦が出場停止で、3年連続得点王の可能性が消滅。
 

最優秀選手賞 レアンドロドミンゲス(柏)
その他候補 酒井宏樹(柏)北嶋秀朗(柏)小笠原満男(鹿島)ケネディ(名古屋)遠藤保仁(G大阪)

これ、ぜひ試してみてほしいんですが。自分の頭の中でベストイレブンとか選ぶ人いると思いますけど、まずMVPを考えてから、その後で ベストイレブンって順番で選んでみてください。MVPがベストイレブンの中に入らなかったりしませんか?
ここに書いたのは“私が予想する”受賞者なんで レアンドロをMVPにしましたが、“私が選ぶ”だったら小笠原とか北嶋とかにしますもん。個人のプレイより、その選手が背負った象徴とかのほうが目立った シーズンだったと思います。
だから今年は特別賞がいくつかあるでしょう。たとえば↓こんな。 


TEAM AS ONE賞 東日本大震災からの復興のために行動したすべてのサッカーファミリー

こんな感じの特別賞があって、選手を代表して「東北人魂を持つJ選手の会」から小笠原、サポーターを代表して「サッカーを愛する人にできること Football saves Japan」から清義明さんと植田朝日さんが感謝状なんかを受け取る、てなことにならないかと。

まぁ いろいろあったりなくなったりしました。コパアメリカとかナビスコカップのグループリーグとかJヴィレッジとかマリーゼとか、JFLソニー仙台のリーグ戦 数試合とか、東北社会人リーグ2部南とか。身近なとこでは天皇杯東京都予選社会人系の部トーナメントが途中で取りやめになって、東京23FCとか青梅FC とかが天皇杯に出られなく なったかわりに町田ゼルビアの都代表までの道が近くなりました。
中でもフロンターレvs.ベガルタでの太田吉彰のゴールなんて、震災がなかったら見られなかった最たるものでした(サポじゃないけど等々力に行ってよかったなと)。宮城県東松島市出身のロアッソ加藤健太は6月、故郷の復興のためにとシーズン途中で現役を引退しました。小笠原や鈴木隆行なども、プロスポーツ選手のすべきことをプレイだけでなく行動で示してくれたプレイヤーの例でした。
mixi で救援物資集積に使える場所の情報のやりとりを見てて、区民会館とかの話が出てたところでいきなり日本サッカー協会のビルに決まったときは「おお〜!!」 と声を上げました。様々な色のユニフォーム姿が集まった会場の賑わいはスタジアムでも見られない壮観なもので、非常に誇らしくもありました。
別に すべてが終わったわけではなく、数年も数十年もかかる部分もあるでしょうけど。選手や監督だけでなくそれを支えたクラブやリーグや協会のスタッフ、サポー ターに観客、ただつぶやいただけの人まで、誰かのためにと何か行動を起こした人すべてが讃えられていい年です。人によっては苦しく悲しくつらい記憶につな がりますから思い出すよう無理強いはできませんが、前に歩いていくためには忘れないでいてほしいと願います。  You'll never walk alone, walk on