広告は「花」だと思います。
薔薇に百合に胡蝶蘭に極楽鳥花に、さまざまな姿かたちで優美さを競います。
ネギやイネや山芋のように、咲いた姿は地味ながら豊かな実りをもたらすものもあります。
中にはラフレシアのように、腐臭を放ちハエなど特殊なターゲットを狙うものもあります。
人をひきつけるためにあれやこれやの手練手管を使って耳目を集めます。
でも、勘違いしないでください。広告制作者は特に。
植物も、広告主も、花を咲かせるのを目的にはしていません。
すべては売上という実を生らせるのがゴール、広告はそこに至るまでの通過点でしかありません。
それを間違えて「作品」などと思い上がってはいけないと思うのです。
コケ類やシダ類は花を咲かせなくても立派に世代をつないでいきます。
広告はプロモーションの中で数ある手段のうちのひとつに過ぎないのです。
とはいえ、広告主を喜ばせるだけの見てつまらない広告ばかりでは、つくり手だってやり甲斐がないのも否定できないところ。
どうせなら、花も実もある広告をつくりたいものです。